2015年10月例会報告

1017日(土)午後、10月例会を行いました(参加者13名)。

報告者は、岡山大学大学院の上村和史さんで「岡山藩議院の設立と議院における議論」というテーマで報告して下さいました。

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岡山藩議院とは、明治2年から4年まであった岡山藩の議事機関で、士族が議員となる上院と、百姓・町人が議員となる下院に分かれていました。さらに下院は、各郡・各町村にも議院が置かれ、本報告では邑久郡の議院の議頭を務めた野崎万三郎の残した史料から、その詳しい実態を明らかにされました。




とくに、郡議院の議者(各村の代表)が与えられた議題に対して意見を述べた書面がまとまって残されているのは興味深く、本報告では堕胎圧殺の防止に関する議題を採り上げて、その議論の経過を分析されました。藩議院を、の村役人集会の仕組みを継承しつつ、さらに近代の府県会へと展開してゆくものと位置づけ、それを一時の仇花ではなく、幕末維新期における地域レベルでの公議公論世界の形成をみてゆく格好の事例としてとらえるという視点は共感でき、議論もとても活発に交わされました。(文責:山下洋)

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