お知らせ

2014年3月例会

本日、3月例会を行いました。報告は、魚屋翔平さんで、「大内義長当主期における陶晴賢権力の性格と大内氏の権力構造」と題したものでした。

今年度末に、岡山大学大学院に提出した修士論文の要旨をお話しいただいたもので、いずれ文章化されるであろうと思います。

天文20(1551)年に起きた大内氏内部での陶晴賢による反乱後、大内氏当主となった大内義長と陶晴賢とがどのような権力構造を組んでいたのかを、70通以上にも渡る一次史料の収集・分析を行い、明確なものにされていました。

弘治3(1557)年には大内氏が滅んでしまうため、あまりこれまでの研究がなされていない時期ですが、どのような権力構造が毛利氏が中国地方を押さえていく前に成立していたのかがわかる興味深いご研究でした。

来月は、4月19日に例会を行います。内容については、掲示板に出していますので、ご確認ください。Dsc_1011

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2014年2月例会報告

本日、2月例会を行いました。報告は、森脇崇文さんで、「永禄末~天正初期の備作地域と織田・毛利氏」という内容でした。

もともとは10年前に研究していた内容を、これまでの成果を盛り込みながら、戦国大名の毛利氏と織田氏の戦いの場と化した備作地域の状況を考察した結果を報告してくれました。

いくつかの段階にわけて、当寺の様子を再現・考察していくことにより、毛利氏と織田氏だけではなく、宇喜多氏やその他の有力国人たちがどのように動いていったのかを分かりやすくお話いただきました。

質疑応答では、史料の解釈や当寺の国人領主の可能性、寺院勢力と宇喜多氏との関係など、興味深い話が多く、17時まで目一杯盛り上がりました。当日は、徳島県や兵庫県、遠くは石川県からの参加者がありました。ありがとうございました。

なお、今回の報告内容を文章化されるということですので、参加していない方へのレジュメの配付は行いません。ご了承ください。

次回は、現在調整中です。決まりましたら、ご案内いたしますので、しばらくお待ちください。Dscn5280

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2月例会について

大変遅くなりましたが、2月例会が今週末の土曜日に行われます。

日時:2月22日13時~

場所:岡山大学総合研究棟2階演習室(5)

報告者:森脇崇文さん

タイトル:「永禄末~天正初期の備作地域と織田・毛利氏(仮)」

ふるってご参加ください。

2014年1月例会報告

先日、1月例会を行いました。例会参加者の奥井さんが、下記のような感想を寄せてくれました。報告してくれた山下さんも含めてお世話になりました。

 当日は、山下洋氏による「第十七師団の岡山誘致運動」と題する岡山に設置された陸軍第十七師団誘致の事例の報告を拝聴させていただきました。陸軍第十七師団の駐屯地として、現在の岡山大学津島キャンパス、岡北中学校がその候補地に選定されていく過程を、『山陽新報』などの新聞、機関紙といった史料から考察されていました。

 軍隊誘致に関して、商工会議所を中心とする有力な商工業者、市会や経済協会などの各種団体の先導により、経済効果を期待する都市発展論と結びついて運動が展開される過程を、史料から丁寧に説明されていました。

参加者からは、軍隊誘致に対する市民の反応、娯楽施設や教育機関(第六高等学校)の設置といった都市計画との関連性、軍隊誘致後の軍事演習など地域への長期的影響など、興味深い話が出ていました。私自身岡山大学に通う学生であり、その歴史的背景について勉強することができました。

(文責:奥井翔太)

次回は、2月22日に森脇崇文さんが「永禄末~天正初期の備作地域と織田・毛利氏(仮)」と題して報告します。ふるってご参加ください。

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『岡山地方史研究』131号の発刊について

『岡山地方史研究』131号が発刊されました。内容は、次の通りです。順次,会員の皆様には郵送されたのではないかと思いますが、購入を希望される方がおられましたら、内池までご連絡ください。

岡山地方史研究第131号 2013.12
歴史随想 「日記」資料に寄せて…在間宣久(1)
論文 岡山藩の神職組織と祭祀について…次田元文(7)
論文 近世後期の寺院頼母子と檀家-備中国後月郡の寺院を題材に-…東野将伸(28)
編集後記…(54)
岡山地域史研究文献目録(総説)…(58)

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『岡山地方史研究』130号の発刊について

『岡山地方史研究』130号が発刊されました。内容は、次の通りです。順次,会員の皆様には郵送されたのではないかと思いますが、購入を希望される方がおられましたら、内池までご連絡ください。

岡山地方史研究第130号 2013.9
論文 「法事の赦」の構造分析-岡山藩池田家を事例に–…谷口眞子(1)
合評会・『環境の日本史4』を読む
書評 水本邦彦編『環境の日本史4 人々の営みと近世の自然』…森元純一(16)
書評会参加記…水本邦彦(21)
参加記 水本邦彦編『環境の日本史4 人々の営みと近世の自然』の合評会に参加して…糸川風太(25)
紹介 北村章編『備前国八浜八幡宮関係史料集』…内池英樹(28)
博物館・展覧会めぐり 岡山県立博物館 栄西禅師八〇〇回忌記念事業 平成二十五年度特別展「栄西」を観覧して…辰田義雄(29)
歴史談話室 小瀬中務と小瀬甫庵…大西泰正(35)
岡山地域史研究文献目録(近現代の部)…(46)
編集後記…(37)

2013年10月例会について

10月19日(土)13時半から、岡山大学総合研究棟演習室において、10月例会を行いました。関西大学大学院の古林小百合さんが、「由緒書の成立背景についての考察」と題して、備中国川上郡平川村H家の由緒書を事例に取り上げて報告してくれました。
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村の由緒と家の由緒の共通点と相違点を意識しながら、中世に西遷してきたH家の由緒が、江戸時代を通してどのように生きていたのか等について、興味深い話をしてくれました。

現在作成中の修士論文の途中経過の話でしたが、享保期に成立したと考えられる由緒が、どこまで中世史の事実として通用するかや、近世に於ける豪農経営の一端と由緒との関わりなど、長く続いていったH家の特徴がよく分かるものとなっていました。
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参加者からは、それぞれの興味に沿ってではありますが、家の成り立ちや豪農経営の状況等について活発な質問や意見が出てきました。個人的には、H家がどのように中世における由緒を、近世へ繋げていったのか。また、それを近世の子孫がどのように活用していったのかがおもしろかったです。

古林さん、ありがとうございました。

次回は、11月24日(日)13時半から、岡山県立記録資料館において12月例会を行う予定です。なお、当初予定していた忘年会は、諸般の事情により行わないことにさせていただきます。ご了承ください。

2013年9月例会報告

9月22日(日)に、9月例会を行いました。報告者は糸川風太さんで、「公儀浦触廻達にみる幕府拡大支配の実現とその変遷-紀州藩を中心に-」というタイトルでした。

今年度提出される予定の修士論文の概要で、幕府から出された浦触がどのように廻達されたのか、具体的にはどのような内容が取り扱われたのか、紀州藩領内と他地域との比較等についてお話いただきました。

参加者からは、浦触と通常の村継ぎによる藩触との違いや、年代や内容による扱いの変化、他藩での実態等について質問がでました。触とともに各村々の請印帳が2巻つけられていたことや、決して汚さないようにと特別に付記があったこと等が、私個人としては興味深く思いました。Dscn4626

今後、修士論文にまとめられるということなので、ここでは多くを取り上げませんが、糸川さんが報告レジュメのとおり丁寧にまとめていかれることと楽しみにしております。

次回は、10月19日(土)13:30から、岡山大学総合研究棟2階演習室(5)で行います。
報告者は、古林小百合さんで、タイトルは「村の由緒とその機能―備中国川上郡平川村平川家を事例として―」です。ふるってご参加ください。

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2013年7月例会報告

7月20日に、「畿内幕領における代官所の地方支配」と題して、尾崎真理さんに報告していただきました。

報告では、近世後期社会において、国訴や郡中議定などに代表されるような広域連合が形成される中で、大坂にあった二つの代官所(鈴木町と谷町)が、どのように領内を支配していたのかについて、関係する庄屋文書や代官日記等に基づいて分析している途中経過を話していただきました。

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これまでに行われてきた地域社会論の成果に学びつつも、民衆の代官所に対する意識や、支配替えを忌避する論理などについて、史料分析を通じて明らかにしようとされていました。
また、寛政の改革が一つの画期となる可能性を指摘する等、大変興味深い報告で、参加者との活発な質疑応答が行われました。

報告をお聞きしていて、支配者側の論理と被支配者側の論理の相克が、代官の転任延期を求める領民の訴願運動につながったり、幕末期になっての備荒貯蓄制度の設置へと展開したり、していったのではないかと感じました。
また、行政システムの一翼をになっていた庄屋あるいは大庄屋たちが、どのようにこの時代に活動をしていたのかをしっかりと見直さないといけないとも思いました。

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例会終了後、岡山市内の居酒屋で暑気払い会を行いました。今回は、適当な時間に皆さん無事に帰宅することが出来ました。

9月以降の例会については、適宜お知らせいたしますので、ふるってご参加ください。お待ちしています。

2013年6月例会報告

本日、2013年6月例会を終えることができました。次田元文さんが「岡山藩の神職組織と祭祀について」と題して、報告してくれました。参加者は8名でした。

岡山大学附属図書館池田家文庫に残された資料を使い、元禄~明和年間の岡山藩内の神社がどのように集合体として管理されていたか、またそこに関わる人々はどのような動きをしていたのか等について、お話ししていただきました。

近日、『岡山地方史研究』に論文として投稿してくださることになっており、詳細はそちらに譲りますが、先行研究が無い中、丹念な史料解読と整理・分析が、これまで空白だった時代の神社の動向を明らかにしてくれる興味深いものでした。

さらに、改良を加えて投稿してくださるとのことでしたので、皆さんもどうぞお楽しみに。Dscn5086