2018年2月例会報告

2月24日午後、2月例会が行われました。今回は、内池昭子さん「小山家文書の史料紹介-明治期、地方における女子修学について-」と、倉地克直さん「池田綱政の発入国と光政」の二本の報告が行われました。

内池さんは、以前『岡山地方史研究』140に掲載した「吉備津彦神社社家 小山家文書について」で紹介した資料群の中にあった、明治期の女性の学びについて書かれている書状を紹介してくれました。
近刊予定の会誌に本日の内容を掲載されるということですので、詳細についてはそちらをご覧下さい。
倉地さんは、岡山大学附属図書館池田家文庫にある綱政宛池田光政書状8点を紹介してくれました。池田綱政の発入国にあたって、細かく光政が指示をしている様子が分かると共に、綱政に期待をしている光政の様子も知ることが出来る史料でした。
内池さん、倉地さん、お忙しい中ありがとうございました。
次回は、3月24日(土)午後を予定しています。詳細については、後日ご連絡いたします。
4月以降についても、決まり次第お知らいたします。いましばらくお待ちください。
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12月例会報告

12月4日(日)午後に、12月例会を行いました。

今回は、次田元文さんが「岡山藩の医者について」と題して報告してくれました。

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岡山大学附属図書館にある池田家文庫の史料を用いて、岡山藩の医者の組織の全体像を明らかにしようとしたもので、どのような役割分担をしていたのかや、誰がその役職を勤めたのか等、具体的に説明されました。

参加した方からは、牛窓等の在番があったところにいた医者が、どのような理由で異動してったのかや、医者の後継者はどのように定められていったのか等について、質問が出る等しました。
次田さん、貴重な報告をありがとうございました。

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その後、総会が行われました。総会では、来年の会長及び委員の人選や会の予算等について報告をがありました。

2017年の体制
会長:定兼 学
編集局(局長)倉地克直 (局員)沢山美果子、三宅正浩、山下 洋
事務局(局長)村上 岳 (局員)小野功裕、内池英樹、久野 洋、東野将伸、上村和史
会計監査 金谷芳寛

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

来年1月の例会は、1月下旬を予定しています。決まりましたら、お知らせいたします。

11月例会の報告

1119()11月例会を行いました(参加者:9)。飯島章仁さんが、「岡山市立図書館所蔵の山田貞芳旧蔵書について」と題して、報告をして下さいました。

 山田貞芳氏は、明治から大正期にかけて岡山地域で活躍した歴史家であり教育家です。山田氏の蔵書は昭和3年に山田文庫として約3,500冊余が岡山市立図書館に寄贈されましたが、岡山空襲の際に大半が焼失し、現在80数冊が残っています。

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 例会では飯島さんが山田文庫の内容を、詳細な目録を作成して紹介してくださいました。また、岡山藩に学者として仕えていた小原大丈軒の著書や彼が筆写した書物が山田文庫に多く含まれていると指摘されていました。

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 報告の最後では、山田文庫の中には保存状態が悪いものもあるため修復を進めていくとともに、そのような状態の史料を一般に広く公開していくためにも、史料のデジタル化をより一層進めていく必要があると述べられました。

飯島さん、ありがとうございました。(小野)

12月例会については、先にアップした記事をご確認ください。


11月・12月例会のお知らせ

岡山地方史研究会員の皆様

今まで契約していたサーバーが、ホームページサービスを終了したため、下記のところへ移設しています。
また、次回例会の案内についても、例会報告を行っていたところに集約いたします。ご了承下さい。

新HP:http://www.geocities.jp/okayama_chihoshi/

例年10月に例会を行っておりますが、今年は11月に下記の日程で行うことにいたします。

日時:11月19日(土) 13:30~16:45

場所:岡山市立中央図書館2階会議室

報告者:飯島章仁さん

題目:「岡山市立図書館の山田貞芳旧蔵書について」

備考:当日は、岡山市立中央図書館を利用して行います。駐車料金等は、実費をご負担ください。

☆12月例会

日時:12月4日(日) 13時~17時
場所:岡山大学総合研究棟2階演習室

報告者:次田元文さん「岡山藩の医者について」
      内池英樹「新出資料の紹介(仮)」
例年行っている総会も行う予定です。忘年会については、現在検討をしています。行うことになりましたら、改めてお知らせいたします。

2013年6月例会報告

本日、2013年6月例会を終えることができました。次田元文さんが「岡山藩の神職組織と祭祀について」と題して、報告してくれました。参加者は8名でした。

岡山大学附属図書館池田家文庫に残された資料を使い、元禄~明和年間の岡山藩内の神社がどのように集合体として管理されていたか、またそこに関わる人々はどのような動きをしていたのか等について、お話ししていただきました。

近日、『岡山地方史研究』に論文として投稿してくださることになっており、詳細はそちらに譲りますが、先行研究が無い中、丹念な史料解読と整理・分析が、これまで空白だった時代の神社の動向を明らかにしてくれる興味深いものでした。

さらに、改良を加えて投稿してくださるとのことでしたので、皆さんもどうぞお楽しみに。Dscn5086

2011年5月例会報告

5月28日(土)13時から、岡山県立図書館2階サークル活動室1において、5月例会を開催しました。当日は、広島近世近代史研究会の方にもお越し頂きました。足下の悪い中、20名を越える方にお出で頂き、ありがとうございました。

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今回は、今年に入ってから存続について話題になっています林原美術館について、展示見学と同館浅利尚民学芸員による活動や資料の様子についてお話いただきました。

最初に私から簡単な林原美術館概要や、存続を巡ることについて情報提供を行いました。その後、林原美術館に移動して、浅利学芸員によるギャラリートークを拝聴しました。

5月29日(土)まで開催中の企画展「華やかな屏風」では、坤與万国全図屏風(世界図)や竹図屏風など、優雅で力強い屏風が展示されており、これまでの調査で明らかになってきたことを、浅利さんの丁寧な解説とともに楽しむことができました。

会場を図書館に戻して、引き続き浅利さんからこれまでの展示等によって分かってきたことや、林原美術館が所蔵している池田家伝来の資料群の意義等についてお話していただきました。岡山大学付属図書館に所蔵されている池田家文庫の資料群とともに考察していくことで、近世大名池田家を復元することができることがわかりました。

質疑応答では、林原美術館の資料の保存状況や、池田家資料の復元に対する見通し等、様々な視点での意見がありました。また、浅利さんが館に戻られた後には、林原美術館の資料をどのように活かしていくべきなのかについても話し合いました。

まとめとしては、林原美術館の展示を見に行き、どのような資料があるのか現物をしっかり見ること、また同館が刊行している紀要を講読して、どのような成果が積み重ねられているのかを知ること、さらには、「傍観者」としてではなく積極的に考えて、周囲の人たちへも働きかけていくことが大切ではないかということになりました。

例会終了後は、駅前の居酒屋において、時間の許す限り両会の参加者の懇親会を盛会の中で終えることができました。

貴重な情報提供をしていただいた林原美術館の浅利尚民さん、ならびに林原美術館の皆様のおかげで、大変盛り上がった会を行うことが出来ました。この場をかりて御礼申し上げます。ありがとうございました。

次回例会は、6月25日(土)13:30から、岡山大学総合研究棟において行います。報告者は森俊弘さんで、題は「関係史料からみた妙善寺合戦―主に古伝承の検討を通じて―」の予定です。ふるってご参加下さい。

2009年3月例会報告

3月15日(日)13:30から、岡山大学総合研究棟2階演習室において、浅利尚民さん による「池田家旧蔵の文化財と歴史資料-近代における管理実態とその行方-」の報告がありました。

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岡山大学附属図書館所蔵池田家文庫(池田家文庫と省略)にある近代池田家に関する史料を読み解く中から、明治20年代前後の池田家の家政や資料・什器の分類生理がどのように行われていたのか、また明治から大正にかけてどのように変化していったのかについてお話をしていただきました。

詳細については、4月に世に出るとのことなので、ここではあまり詳しく書きませんが、現在池田家文庫に残されている史料を見ていくことで、調度方・記録方などに分かれていた近代池田家家政を明らかにできることが分かりました。また、近代に入ってから調度・記録ともに定期的に目録が作成され、管理されていたという実態も見えてきました。
これまであまり明らかにされてこなかった部分であり、刊行される文章が俟たれます。

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参加者からは近代池田家家政や池田家史料・什器がどのような資料群として成立していたのかなどについて活発な意見がでて、大変盛会になりました。

浅利さん、大変興味深い報告をしていただき、ありがとうございました。

次回は、4月26日(日)13:30から岡山大学総合研究棟2階演習室にて、小学館『日本の歴史』10巻~12巻の合評会を行います。ふるってご参加下さい。