お知らせ

2011年1月例会

本日,1月例会を開催いたしました。石畑(こくはた)匡基さんが,「宇喜多騒動の再検討と関ヶ原合戦における意義」と題して報告を行いました。

近年,研究が進展している宇喜多氏ですが,大西泰正さんが取り組んでこられている宇喜多騒動について,石畑さんが興味深い視点を設定して報告をして下さいました。いずれ何らかの形で成果を出していただけるのではないかと考えておりますので,簡単な紹介にとどめておきたいと思います。

大西さんが主に用いた史料『戸川家譜』ではなく,別の史料を中心に論を展開されていました。また,極力1次史料を中心に論を展開することを試み,騒動の沈静化に携わったであろう人物の洗い出しを丁寧に行うことで,宇喜多騒動の豊臣政権における位置づけについて考察を行っていました。

質疑応答の中では,騒動の経過の妥当性,史料操作等が中心に話し合われました。終始,石畑さんの熱意と参加者の興味・関心によって,おもしろい話し合いが展開されました。史料が圧倒的に不足している中で,どのようにして,事実へたどり着けるのか,どのような社会背景があったのかについて,丹念に史料を読み込みながら,議論ができたように思います。
個人的には,「一次史料は信頼度が高い」「二次史料は信頼度が低い」という設定に疑問を感じました。むしろ,「確実に利用できるのはどの箇所か」について,しっかりと史料批判を行うことは,一次史料と二次史料いずれにも必要ではないでしょうか。残された史料から何が語れるのか,何が語れないのかを,しっかり考えていきたいものです。

いずれにしても,このように史料の大切さ,史料を読むことの楽しさを再確認できたのは,石畑さんの報告のおかげです。石畑さん,ありがとうございました。

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2010年12月例会・総会

先ほど、12月例会を終えることが出来ました。報告者は松岡弘之さんで、「創設期の長島愛生園における患者統制とその動揺」 と題してお話いただきました。

ハンセン病患者が、日常生活を送る中で、どのような課題が生じたのか、それが1936年に起きた長島事件とどのように関係していくのか等、貴重な資料を用いながら丁寧な分析がされていました。
後日、資料編のような形で刊行される計画があるようなので、詳細はそちらでお読みいただけるのではないかと思います。
松岡さん、貴重なお話ありがとうございました。

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その後、総会を開催いたしました。
会長、事務局、編集局のメンバーについて、総会に参加された方々全会一致で決定されました。体制は次の通りです。どうぞよろしくお願いします。

会長・・・妻鹿淳子
事務局長・・・村上 岳
事務局・・・山本太郎、森 俊弘、内池英樹
編集局長・・・倉地克直
編集局・・・定兼 学、沢山美果子、山下 洋
会計監査・・・金谷芳寛

また、先の会誌をお送りした際に、現行の1500円から2000円へと、会費を上げることについてお知らせしていたと思います。総会でおはかりしましたところ、全会一致で会費を、2000円へと上げることを決定いたしました。

正式には、文書を配布することになると思いますが、皆さんご理解・ご協力いただきますよう、よろしくお願い致します。

来年、1月例会は下記の通りです。ふるってご参会下さい。どうぞよろしくお願い致します。
☆1月例会
日時:1月22日(土)13:30~
場所:岡山大学総合研究棟2階演習室
報告者:石畑匡基さん

題目:「宇喜多騒動の再検討」

2010年10月例会

本日、10月例会を開催いたしました。参加者は、5名という少人数でしたが、北脇義友さんの興味深い報告内容に対して、いろいろな議論が展開され、盛会となりました。北脇さん、参加して下さった皆さん、ありがとうございました。

「備前藩の御用石工とその周辺の石工について」という内容で、備前藩の石工として著名な河内屋治兵衛について、様々な記録や事物を網羅的に調査を行った結果を、本日お話していただきました。また、河内屋治兵衛だけではなく、岡山藩内における石工の活動についても考察が行われて、大変興味深い内容でした。詳細については、後日『岡山地方史研究』に掲載予定ですので、しばらくお待ち下さい。

次回は、12月4日(土)13:30~岡山大学文学部1F史学合同演習室にて、「創設期の長島愛生園における患者統制とその動揺」(報告者:松岡弘之さん)を行います。しばらく期日があきますのでご注意下さい。また、当日は総会と忘年会を行います。ふるってご参加下さい。

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2010年9月例会

本日,岡山地方史研究会9月例会を行いました。久野洋さんが「明治中期における進歩党・憲政本党系勢力の地方基盤~犬養毅の選挙地盤を中心に~」と題して報告をしてくれました。11名の参加者があり,活発な意見交換が行われました。

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先行研究において,明治中期では進歩党系は後進地域を中心に活動して,先進地域に新出した自由党系に凌駕されたという成果があるのに対して,本当にそうなのかということを,犬養毅を中心に分析した結果を報告してくれました。
報告後の議論の中で,地域にあった産業(藺草・紡績)との関係や,国政と岡山県政との連動・非連動の部分等が取り上げられました。また,犬養毅自身の動向についてもさらに詳細に分析してみるとおもしろいのではないかという意見も出てきました。

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今回の報告は,久野さんの卒業論文をまとめた物であり,さらに深まって行くであろう部分が見られ,今後の活躍が楽しみになりました。久野さん,大阪から来てもらっての報告ありがとうございました。

次回は,10月16日(土)13:30から,岡山大学総合研究棟2階演習室において,北脇義友さんが「備前藩の御用石工とその周辺の石工について」(仮題)を報告して下さいます。ふるってご参加下さい。

2010年7月例会

7月17日(土)13:30から,7月例会を行いました。
報告者は久住祐一郎さんで,「近世河川交通からみる「流域社会」―高梁川北部流域を中心として―」と題して報告してもらいました。当日は,大阪からも参加者がありました。

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用いた史料は,新見市I家に伝来する河川運に関するものでした。新見藩船差役がどのように機能していたのか,高梁川北部ではどのような物流が行われていたのか等,興味深い報告でした。
流域社会をどのように定義するのか,河川運を担当していた人々の具体像について,近代への展望等,質疑応答も非常に盛り上がりました。
久住さん,忙しい中ありがとうございました。

例会終了後,岡山駅近くで暑気払いを行いました。参加者16名が,時間を忘れて話をすることができました。

お忙しい中,集まって下さったみなさん,ありがとうございました。

次回例会は,9月を予定しております。日時・場所が正式に決まりましたら,掲示板・メーリングリストにてご連絡いたします。しばらくお待ち下さい。

 

2010年5月例会報告

今回は,井本真理さんと沢山美果子さんが「医療史の研究動向と研究課題-近世・近代を中心に-」と題して,報告して下さいました。まず最初に,井本さんが近代における医療史の整理・分析をされ,その後沢山さんが近世部分について報告するというスタイルでした。研究動向としては,1980年代を契機に様々な研究成果が出てくるようになっており,そのことは近世史・近代史に共通しているということが指摘されました。
お二人が作っていた文献目録は,参加した方たちにとって,大きなお土産になったのではないかと思います。

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質疑応答の中では,参加者がそれぞれの経験であったり,研究分野に引き寄せたりしながら,大いに議論が盛り上がりました。それらを乱暴にまとめてしまうと,「医療史」という枠組みからは,国家やその時代を生きる人々の様子を描き出すことができ,また社会史や民俗学などの視点をも含めて考察することができる可能性をお二人の整理・分析から見いだすことができたように思います。

 

今回の試みが,今後どのように発展していくのかが,参加していた一人として楽しみに思います。井本さん,沢山さん,どうもありがとうございました。

次回は,6月20日(日)に広島近世近代史研究会との合同例会を,福山市内で行います。詳しくは,掲示板に掲載いたしますので,そちらをご覧下さい。
また,今年は7月に例会を開催する方向で調整に入っています。決まりましたら,メーリングリストや掲示板に掲載いたします。

2010年4月例会報告

今回は,妻鹿淳子さんが、「万喜の手紙が語る旗本の生活」と題して報告してくださいました。

岡山県北の旧家に残されていた万喜に関する書状20数通を丁寧に分析し,その結果をまとめた内容でした。非常に多くの内容であり,この例会の時間の中で全てを紹介することはできなかったようですが,参加した方との質疑応答が盛り上がったことから考えても,非常に興味深いものでした。

近世後期に旗本の妻であった万喜が見た近世社会はどのようなものであったのか,万喜から見た家とは。など,一つ一つの話題が,女性という視点はもちろんですが,近世社会を考えていく上で貴重なものだったように感じました。

妻鹿さん、貴重なお話をありがとうございました。

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終了後には,会誌120号の発送作業を行いました。お手元に近々届くと思いますので,お楽しみに。振り込み用紙が入っている方は,お手数ですが会費の納入をお願いいたします。

次回は、5月15日(土)13:30~です。

2010年3月例会報告

今回は、大阪大学大学院の森脇崇文さんが、「宇喜多氏分限帳の一考察」と題して報告してくださいました。

複数のテクストが今に伝わる「宇喜多氏分限帳」について、精緻な分析と考察によって、本史料の可能性を確かなものとする内容でした。参加者からは、緻密な考察に対しての高い評価が寄せられていました。また、具体的な支配の実態はどのように考えたら良いのか、家臣団構造の見通しはどうかなど、建設的な話し合いを行うことができました。

森脇さん、貴重なお話をありがとうございました。

次回は、4月17日(土)13:30~です。詳細は、掲示板に載せておりますので、そちらを御覧下さい。

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※まだ、会費をお支払いいただけていない方は、ぜひ納入くださいますようお願いいたします。

2010年1月例会報告

2010年1月例会は,内池が玉野市内旧家所蔵の屏風の裏張り文書を整理した結果を報告いたしました。

報告で検討結果を聴いていただいたところ,推定している内容で良いだろうというお話になり,正式に岡山藩士河合源五郎関係の文書の一部であることを確定いたしました。断簡も多いのですが,丹念に見ていくことで,幕末から明治初期の岡山を考える上で,興味深い情報を与えてくれる資料もあります。
このように史料を保存していくためにも,いろいろなところで「史料は大切ですよ」と呼びかけていくことが大切ではないかという話もいたしました。

本日参加してくださった4名の方には,直接史料を手にとっていただき,いろいろな話をして盛り上がりました。

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ご参加くださった皆さん,ありがとうございました。次回2月例会は,以下のものと兼ねることにいたします。ふるってご参加ください。よろしくお願いいたします。

2009年度史料ネットセミナー
”災害から歴史遺産を守る!”

●今津勝紀(岡山大学)
「歴史遺産の保全と活用をめぐる地域力」
●松下正和(神戸大学)
「水害と歴史資料」
●河野未央・吉原大志(神戸大学)
「水損した歴史資料の保全方法」

*日時:2010年2月13日(土) 13:30~17:00
*場所:瀬戸内市中央公民館多目的ホール
  〒701-4221 瀬戸内市邑久町尾張465-1
*参加無料!!

●主催
岡山史料ネット・岡山県立記録資料館・岡山大学文学部
●後援
瀬戸内市教育委員会

問い合わせ先〒700-8530 岡山市北区津島中3-1-1
岡山大学文学部日本史研究室
  今津勝紀(086-251-7408 kimazu@cc.okayama-u.ac.jp)

2009年12月例会報告

 昨日,12月例会・総会・忘年会が終わりました。
妻鹿淳子さんが,「病者収容施設としての牢屋敷」と題して,近世における病者についての報告をして下さいました。
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 詳細は,ここでは書きませんが,今までとは別の視点で資料を見ていくことによって,江戸時代の病者を取り巻く環境を明らかにできるのではないかと感じました。
また,データを追加して文章化していただけると期待しております。

 総会では,役員選出,決算報告,予算承認,例会報告が行われました。
詳細については,後日会誌やこの場を通じてお知らせいたします。
決算報告,予算承認の中で,会費収益だけでは予算がまわっていかない現状が,村上事務局長より報告されました。基金からの補填を行わなければ,支払いができない状態,つまり経常赤字の実態になっているのです。

 

会費値上げも検討しなくてはならないかもしれませんが,まずは今年の会費を納入しておられない方々は,お手数ですが同封している振込用紙にて今年分と来年分(合計3000円)をお支払いください。
会の健全運営にご協力下さい。よろしくお願いします。