2012年12月例会

 今回の12月例会も前回10月例会と同様に、岡山県立記録資料館が実施している平成24年度第2回調査報告会に参加する形で行われました。一般の参加者も含め12名の方が参加されました。
 報告者の加納亜由子さんは、以前の先行研究では、家の非相続人である当主の弟は「一人前として扱われなかった」と評価されてきましたが、有元家を事例に家の存続において当主の弟の果たした一定の役割を日記から具体的に見てみようという報告でした。
 
Dscf2122_2
 加納さんの発表のご趣旨ですが、当主勇次郎公務出張中に交わした弟左吉郎の書簡からは、当主不在時は家事・公務とも頻繁に書状を交わして報告し、当主の意思決定を仰いだり、不在の間は当主がつけていた日記も代筆するなど、当主に成り代わって家の業務を代行してることが読み取れる。また、有元家が所持していた「仲ノ田」という土地が不明という土地問題では、当主の留守中に留守を預かる息子喜代蔵に対して書状で「万歳楽」という替え地を宛て年貢を納めるという解決案を弟左吉郎が提示するなど、家のことに関して積極的に発言していることからも、有元家の事例において当主の弟が果たした役割は大きいとの発表趣旨でした。
Dscf2124
 発表後の質疑応答では、一般方を含め参加者各自の活発な意見(感想)が出され、話し合いが大変盛り上がりました。加納さんありがとうございました。

以上の文章は,当日参加された金谷芳寛さんが寄せてくださいました。金谷さん,ありがとうございました。

1月例会は,1月26日(土) 13:30~ 岡山大学総合研究棟2階 演習室3で行います。報告者は,沢山美果子さんで,現在タイトルについては調整中です。決まりましたら,メーリングリストや掲示板で連絡いたします。

 
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です