2月23日(土),2月例会を行いました(参加者:9名)。森元純一さん「大國家文書から発見された頼山陽書状」と,首藤ゆきえさん「~史料紹介~ 旗本小堀家一族から村庄屋へ宛てた書状」の二本の報告が行われました。
森元さんは,備前国和気郡にあった大國家が所蔵する屏風に貼られていた頼山陽の書状2点を紹介されました。報告では書状の年代比定を行うと共に,書状が大國家に伝来した理由を考察されました。
首藤さんは,17世紀初頭に備中国奉行をつとめた小堀家の分家で同国内に領地を有した旗本としての小堀家が,領内の庄屋へ宛てたいずれも元和期と考えられる書状4点を紹介されました。報告では,支配をめぐる領主の本家と分家の関係を中心に検討を加えられました。
討論では,森元さんの報告に対して,書状から読み解れる当時の頼山陽のような人々の交流活動に関して,近世における文化人とはどのような人々を指すのかという点について,意見が交わされました。首藤さんの報告については,書状から読み取れる当時の支配の在り方をめぐって領主権力と領民との関係はどのようであったのか,といった議論が行われました。
報告していただいた森元さん,首藤さん,ありがとうございました。(小野)
次回の例会は下記の日程で行います。ふるってご参加ください。
〇3月例会
日時:3月16日(土) 13時30分開始
場所:岡山大学総合研究棟2階演習室(5)
報告者:山本隆一朗さん
題目:「豪圓の寺院再興と近世伯耆大山寺の成立」