7月20日(土)13:30から、7月例会を行いました。参加者は、11名でした。
今回は、大門正克・岡田和弘・川内淳史・河西英通・高岡裕之編『「生存」の歴史と復興の現在ー3・11 分断をつなぎ直す』(2019年2月大月書店)(以下、本書)についての合評会でした。今回の合評会については、後日、会誌に掲載する予定です。この例会報告では、当日の主な流れを紹介します。
最初に、山下洋さんが、昨年度の西日本豪雨の被害ともあわせながら、本書で取り上げられている災害時における文化財を取り巻く様子や、人々の思いなどについて紹介してくれました。
その後、沢山美果子さんから、本書を書く一つの基盤になった気仙沼や陸前高田・福島でのフォーラムを踏まえて、6年間にも及ぶ取組の成果として、歴史研究者と現地の人々との関係をつなぎ直す実践であったこと等をコメントされました。
休憩を挟んで、編著者である大門正克さんから、山下さんと沢山さんのコメントを踏まえて、本書をつくるにあたって大切にしてきたことや、今も考えていること等を中心に話していただきました。
参加した皆さんからも、それぞれの観点(たとえば、自分が生まれ育った地域の歴史が失われてしまって危機感を持っていることや、歴史学という視点だけではなく様々な方面の人に読んでもらいたい、「分断」というものをどうのりこえていくのか等)での意見・感想が出てきて、それを再度大門さんにお答えいただいたり、参加した人たちと今後の課題として共有することができたように思います。
例会終了後は、場所をかえて、大門さんが東京に戻られるまで、本書を踏まえた意見交換が活発に行われました。
お忙しい中、ご参加下さった大門さん、本当にありがとうございました。
また、本の書評を用意してくれた山下さん、コメントを述べていただいた沢山さん、そして、参加してくださった皆さん、お世話になりました。
8月の例会はありません。次会は、9月以降になります。詳細が決まりましたら、改めてお知らせいたします。
(文責:内池)