2012年3月例会

本日、三月例会を行いました(参加者:11名)。

報告者は、今年三月で岡山大学大学院を修了される東野将伸さんでした。「幕末維新期の豪農と地域金融」というタイトルで、備中国一橋領内の産物会所や掛屋の機能等について、丁寧な資料収集及び分析を通じて話をしてくれました。

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「公共性」や「前近代的な金融の機能」等について取り上げられており、それらに対して参加者から活発な意見(感想)が出され、話し合いが大変盛り上がりました。東野さん、ありがとうございました。

四月例会は、4月21日(土)13:30~ 岡山大学総合研究棟第4演習室で行います。報告者は内池で、タイトルは「徳島藩関係史料から見た慶長~寛永期の岡山藩(仮)」です。よろしければ、御参会ください。

2011年6月例会報告

昨日,6月例会を終えました。今回は,森俊弘さんが「関係史料からみた妙善寺合戦-主に古伝承の検討を通じて-」と題して,報告をしてくださいました。当日は,広島や大阪・徳島からもお出でいただき,11人の方が参加されました。

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報告の概要については,以下の通りです。
①従来,「備前軍記」を中心に述べてこられた妙善寺合戦について,その他の二次史料や関係する一次史料を,精緻に分析していった結果,備中勢の布陣や実際の戦闘など,再検討が必要である。
②備前・備中だけではなく,周辺地域との関係を視野に入れることが必要である(報告では播磨国の浦上氏について言及。
③関係概念図や地図を使うことによって,より具体的に理解しやすいように工夫されていた。

詳細については,いずれ文章化をされるとのことなので,ここでは記載をいたしません。どうしても知りたい方は,ご連絡下さい。
参加者からは,使用していた資料の特色や意義,関係概念図の近隣地域や前後の時代への発展への期待,史料の読み込みに関する検討等の意見・質問が寄せられ,森さんからも丁寧な回答がされました。

森さん,お忙しい中ご準備いただきありがとうございました。

7月・8月の例会はお休みに致します。次回は,9月4日(日)午後を予定しております。詳細が決まりましたら,掲示板やメーリングリストへ告知いたします。また,報告を希望される方が居られましたら,内池までご一報ください。

2011年4月例会報告

4月16日に、山本太郎さんが「幕末維新期幕府領陣屋元村豪農商の金融―備中国窪屋郡倉敷村大橋家を事例として―」と題して報告をしてくださいました。

 

備中国窪屋郡倉敷村(現倉敷市美観地区)で豪商として活躍した大橋家を中心に

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分析されたもので、文政年間から幕末にかけての大橋家の動向や経済活動の状況などが豊富な資料が用意されていました。

その中からは、時代の状況にあわせてたくましく活動する様子や、幕藩権力の衰退に伴う多額の献金の実態などを知ることができました。
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質疑応答の中で、大橋家当主がいわゆる「身上がり」を求めていたのか、大橋家の経営がひとつの家としての経営なのか、それとも地域経済の中の一部として考えるべきなのか等が話題としてでてきました。

山本さんの著書『
近世幕府領支配と地域社会構造』でも取り上げられている大橋家の研究がさらに進んでいることをおうかがいすることもできました。ありがとうございました。