お知らせ

2009年1月例会報告

今年最初の例会が1月24日(土)13時半から、岡山大学総合研究棟2階演習室で行われました。森俊弘さんが「金川松田氏の系譜と事跡―通史的言説の形成過程とその元像―」と題して報告されました。多くの方が参加して下さいました。ありがとうございました。

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(報告概要)森さんの報告は、備前国金川城を本拠地としていた金川松田氏の系譜や事跡について、近世期に作成された資料と同時代資料との組み合わせながら考察を加えたものでした。

使用された資料は多岐にわたっていて、まとめてご紹介できないほどの数でしたが、縁起なども含めてとても興味深いものでした。しかし、参加者からも質問が出たように、松田氏当主と各史料に出てくる人物をどのように特定していくかが、やはり課題として残ったように思います。

また、宗教勢力と松田氏との関係についても、どの時点でどのような目的で松田氏がそのような指向を持ったのか、その後の岡山県地域にどのような影響を与えていったのかも議論がありました。

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森さんも言われていたように、基礎的な事実関係をしっかりと押さえていくような地道な研究がまだまだ必要ですし、今回のような提案を元にいろいろな角度から検証を加えていくことはとても有意義な取り組みだと思いました。

次回は、2月15日を予定しています。詳しくは、掲示板・メールをご覧下さい。

2008年12月例会の報告

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今回から,ブログ形式での月例会報告にしました。

12月13日(土)13時から,岡山大学総合研究棟2階演習室で,藤田則之さんに「片山金弥と窪田善之介の編暦と天体観測について-窪田家資料の記録を中心として- 」と題して報告していただきました。

(藤田報告概要)岡山藩士片山金弥・窪田善之介らによって作成された「岡山暦」は,天保暦と比較してどのような特徴があるのか,またどのように作成されたのかについて,丁寧な分析・報告が行われました。

はじめに近世の暦について説明があり,不定時法による時刻がどのような仕組みで刻まれていたのかを知ることができました。特に,季節によって変化する明六つが,日の出の36分前に設定されていたこと,日食・月食の日時を予想したものを暦にいれていたことには,参加者から多数質問・意見が寄せられました。

また,複雑な計算を行った結果に作成された「岡山暦」からは,当時非常に高度な科学技術を藩士が作成できた岡山藩の教育水準の高さを知ることもできました。

今回の報告内容は,『岡山地方史研究』へ投稿していただけるということですので,詳しい内容はそちらをご覧下さい。

(総会概要)
最初に今年度の例会運営に関することなどについて内池から報告・提案しました。例会は全10回,合計134名が参加してくださいました。ただし,報告者や参加者が固定される傾向が見られるので,積極的な会の活動への参加をお願いしました。
その後,会長,事務局,編集局の選出があり,以下のように決まりました。
会長:妻鹿淳子
事務局:村上 岳 (補佐)山本太郎,内池英樹,森 俊弘
編集局:倉地克直(補佐)定兼 学,山下 洋
会計監査:金谷芳寛

今年度の会計報告・来年度予算については,後日まとまり次第,会誌で公開する予定です。しばらくお待ち下さい。

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