5月23日(土)午後、岡山地方史研究会5月例会を行いました(参加者9名)。
報告者は、斎藤夏来さん(岡山大学教育学部)と卒業生の谷舗昌吾さんでした。題目は、「栄西認識の変遷ー栄西呼称をとおしてー」でした。
まず、斎藤さんの方から栄西の実態を見つめていくためには、栄西と禅律仏教と、五山派との接続関係、異同の明確化を計っていく必要があるという説明がありました。その後、谷舗さんから『大日本史料』『五山文学新集』を中心とした史料収集、分析結果の報告がありました。
今後、会誌に載せる方向でさらに研究を進められるということですので、簡単にまとめると、「葉上」「千光」等の呼称が使われるが、それらにはそれぞれ背景や意図があり、時期区分や掲載されている史料の特性を明らかにすることができるというものでした。
中世と近世とでは、「千光」の後ろに付けられる肩書きも変わっていくことも明らかになってきているということについても、説明がありました。
その後の質疑応答では、変化していく背景にある社会的必要性はなんだったのか、栄西以外の新鎌倉仏教の始祖はどうだったのか、また使用した史料以外には対象となるものはないのか、等について質問が出ました。
谷舗さんは卒業後、働きながら研究を続けていきたいということを話してくださいました。谷舗さんと、斎藤さんの熱意あふれる発表で、質疑応答も盛り上がったと思います。お二人、ありがとうございました。
6月例会は下記の要領で行います。お忙しいとは思いますが、ふるってご参加ください。また、7月例会は7月4日に行います。終了後、懇親会を行います。懇親会に参加を希望される方は、内池までご一報ください。スムーズな例会運営にご協力いただきますよう、よろしくお願いします。
(6月例会)
日時:平成27年6月13日(土) 13:30~
場所:岡山大学総合研究棟二階演習室(5)
報告者:
小野功裕さん
題目:「歩兵第十連隊戦史 ―滕県城攻撃から見た兵士達の戦場―」