『岡山地方史研究』130号の発刊について

『岡山地方史研究』130号が発刊されました。内容は、次の通りです。順次,会員の皆様には郵送されたのではないかと思いますが、購入を希望される方がおられましたら、内池までご連絡ください。

岡山地方史研究第130号 2013.9
論文 「法事の赦」の構造分析-岡山藩池田家を事例に–…谷口眞子(1)
合評会・『環境の日本史4』を読む
書評 水本邦彦編『環境の日本史4 人々の営みと近世の自然』…森元純一(16)
書評会参加記…水本邦彦(21)
参加記 水本邦彦編『環境の日本史4 人々の営みと近世の自然』の合評会に参加して…糸川風太(25)
紹介 北村章編『備前国八浜八幡宮関係史料集』…内池英樹(28)
博物館・展覧会めぐり 岡山県立博物館 栄西禅師八〇〇回忌記念事業 平成二十五年度特別展「栄西」を観覧して…辰田義雄(29)
歴史談話室 小瀬中務と小瀬甫庵…大西泰正(35)
岡山地域史研究文献目録(近現代の部)…(46)
編集後記…(37)

『岡山地方史研究』128号の発刊について

『岡山地方史研究』128号が発刊されました。内容は、次の通りです。順次,会員の皆様には郵送されたのではないかと思いますが、購入を希望される方がおられましたら、内池までご連絡ください。

岡山地方史研究第128号 2012.12

論文 中近世移行期の備前国人と地域産業-林原美術館所蔵年欠八月四日付け宇喜多直家書状を端緒として-   森 俊弘(1)
研究ノート 備前国児島郡の大庄屋の変遷について  … 北村 章(23)
2011年度会計決算・監査報告 … (38)
編集後記 … (38)
岡山県関係論文目録・抄(近世の部,2005~2010年) … (39)
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2011年6月例会報告

昨日,6月例会を終えました。今回は,森俊弘さんが「関係史料からみた妙善寺合戦-主に古伝承の検討を通じて-」と題して,報告をしてくださいました。当日は,広島や大阪・徳島からもお出でいただき,11人の方が参加されました。

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報告の概要については,以下の通りです。
①従来,「備前軍記」を中心に述べてこられた妙善寺合戦について,その他の二次史料や関係する一次史料を,精緻に分析していった結果,備中勢の布陣や実際の戦闘など,再検討が必要である。
②備前・備中だけではなく,周辺地域との関係を視野に入れることが必要である(報告では播磨国の浦上氏について言及。
③関係概念図や地図を使うことによって,より具体的に理解しやすいように工夫されていた。

詳細については,いずれ文章化をされるとのことなので,ここでは記載をいたしません。どうしても知りたい方は,ご連絡下さい。
参加者からは,使用していた資料の特色や意義,関係概念図の近隣地域や前後の時代への発展への期待,史料の読み込みに関する検討等の意見・質問が寄せられ,森さんからも丁寧な回答がされました。

森さん,お忙しい中ご準備いただきありがとうございました。

7月・8月の例会はお休みに致します。次回は,9月4日(日)午後を予定しております。詳細が決まりましたら,掲示板やメーリングリストへ告知いたします。また,報告を希望される方が居られましたら,内池までご一報ください。

2010年10月例会

本日、10月例会を開催いたしました。参加者は、5名という少人数でしたが、北脇義友さんの興味深い報告内容に対して、いろいろな議論が展開され、盛会となりました。北脇さん、参加して下さった皆さん、ありがとうございました。

「備前藩の御用石工とその周辺の石工について」という内容で、備前藩の石工として著名な河内屋治兵衛について、様々な記録や事物を網羅的に調査を行った結果を、本日お話していただきました。また、河内屋治兵衛だけではなく、岡山藩内における石工の活動についても考察が行われて、大変興味深い内容でした。詳細については、後日『岡山地方史研究』に掲載予定ですので、しばらくお待ち下さい。

次回は、12月4日(土)13:30~岡山大学文学部1F史学合同演習室にて、「創設期の長島愛生園における患者統制とその動揺」(報告者:松岡弘之さん)を行います。しばらく期日があきますのでご注意下さい。また、当日は総会と忘年会を行います。ふるってご参加下さい。

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2010年9月例会

本日,岡山地方史研究会9月例会を行いました。久野洋さんが「明治中期における進歩党・憲政本党系勢力の地方基盤~犬養毅の選挙地盤を中心に~」と題して報告をしてくれました。11名の参加者があり,活発な意見交換が行われました。

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先行研究において,明治中期では進歩党系は後進地域を中心に活動して,先進地域に新出した自由党系に凌駕されたという成果があるのに対して,本当にそうなのかということを,犬養毅を中心に分析した結果を報告してくれました。
報告後の議論の中で,地域にあった産業(藺草・紡績)との関係や,国政と岡山県政との連動・非連動の部分等が取り上げられました。また,犬養毅自身の動向についてもさらに詳細に分析してみるとおもしろいのではないかという意見も出てきました。

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今回の報告は,久野さんの卒業論文をまとめた物であり,さらに深まって行くであろう部分が見られ,今後の活躍が楽しみになりました。久野さん,大阪から来てもらっての報告ありがとうございました。

次回は,10月16日(土)13:30から,岡山大学総合研究棟2階演習室において,北脇義友さんが「備前藩の御用石工とその周辺の石工について」(仮題)を報告して下さいます。ふるってご参加下さい。

2009年5月例会報告

今日は,難波修さんによって「含章洞本『吉備前鑑』の発見」と題して報告してもらいました。『吉備前鑑』は,近世に記された地誌として知られていますが,詳細な分析はこれまで行われていません。
難波さんの報告によれば,元禄期を中心として『吉備前鑑』が編さんされる一方,それ以前に複数の関連する地誌があり,それらを利用して『和気絹』などが書かれていったということでした。
詳細については,いずれ会誌に掲載されることになると思いますが,これまで史料としては活用されていたものですが,その内容や成立過程についてしっかりとした考察をされたことは,岡山地域の研究にとって非常に有益なことだと感じました。
質疑応答も大変盛り上がり,会が終了しても一部の参加者が残って話し合う姿が見られました。難波さん,興味深いお話ありがとうございました。

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次回例会は,6月20日(土)に,広島県福山市を会場として行います。詳細については,掲示板やメールにてお知らせいたします。ふるってご参加ください。

2009年4月例会報告

本日、岡山大学総合研究棟2階演習室において、小学館から刊行された『日本の歴史』10~12巻の合評会を行いました。
定兼(10巻)、沢山(11巻)、久住(12巻)の三氏が書評を行い、参加者からも感想・意見を出して貰いながら会を進めました。10巻執筆者水本邦彦さん、12巻執筆者倉地克直さんも参加してくださり、丁寧に疑問や意見に対してコメントをしていただきました。

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「斬新」「わかりやすい」という感想が多く聞かれましたし、地域史から日本史を語ることができることを改めて教えて貰ったという意見もありました。

また、洛中洛外図などの絵画資料をより積極的に見ていくきっかけになったというコメントもあり、これまでも行っていた参加者それぞれの取り組みの中に、様々な刺激を与えてくれるシリーズとなったようです。

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本日の合評会については、後日発刊予定の会誌に反映する予定です。詳しくはそちらをごらんください。

次回は、5月23日(土)13:30から、岡山大学文学部1階史学合同演習室にて、難波 修さんが「吉備前鑑」に関する報告を行います。ふるってご参加ください。

2009年1月例会報告

今年最初の例会が1月24日(土)13時半から、岡山大学総合研究棟2階演習室で行われました。森俊弘さんが「金川松田氏の系譜と事跡―通史的言説の形成過程とその元像―」と題して報告されました。多くの方が参加して下さいました。ありがとうございました。

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(報告概要)森さんの報告は、備前国金川城を本拠地としていた金川松田氏の系譜や事跡について、近世期に作成された資料と同時代資料との組み合わせながら考察を加えたものでした。

使用された資料は多岐にわたっていて、まとめてご紹介できないほどの数でしたが、縁起なども含めてとても興味深いものでした。しかし、参加者からも質問が出たように、松田氏当主と各史料に出てくる人物をどのように特定していくかが、やはり課題として残ったように思います。

また、宗教勢力と松田氏との関係についても、どの時点でどのような目的で松田氏がそのような指向を持ったのか、その後の岡山県地域にどのような影響を与えていったのかも議論がありました。

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森さんも言われていたように、基礎的な事実関係をしっかりと押さえていくような地道な研究がまだまだ必要ですし、今回のような提案を元にいろいろな角度から検証を加えていくことはとても有意義な取り組みだと思いました。

次回は、2月15日を予定しています。詳しくは、掲示板・メールをご覧下さい。