2015年12月例会報告

 今回の例会では、倉敷市総務課歴史資料整備室の立石智章さんが「備中岡田藩主の領内巡見とその特質 ―代替りの巡見を中心に―」というテーマで報告されました。

 備中国下道郡および美濃、河内、摂津に領地を有した一万石程度の外様小藩である岡田藩主伊東家による領内巡見について、岡田藩の記録や大庄屋の日記を手掛かりに丁寧な分析をなされていました。

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 報告では、下道郡内の飛地であり他領を通行しなければならない水内(みのち)への巡見を中心に検討が加えられていました。その中で、近村への巡見よりも多くの費用をかけて参勤交代に近い規模の行列を整えたことや、巡見の際に村々が藩主を「馳走」することを名誉として認識していたことを指摘されました。

 

報告後の議論では、多岐にわたる論点が出されました。村役人による「馳走」が村内部における社会秩序の再確認と成り得たことや、他領と接する村の境目を確定することがあったことから、巡見は村にとって名誉以上の意味を有していたのではないか、という村の側からの視点が示されました。また、小藩であるがゆえに領民との関係維持のためには岡田藩自身が巡見を必要としたのではないかという意見もありました。その他、入封時の巡見との関係を問う意見や、他藩の事例紹介もあり、とても活発な議論となりました。

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今回の例会報告は、小野功裕さんが書いてくれました。ありがとうございました。

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