3月例会のお知らせ

3月例会を次のとおり開催いたします。
ふるってご参会くださいますよう,よろしくお願い申し上げます。

〇3月例会
報告者:平田 良行さん
日時:3月22日(日) 13時30分開始
場所:岡山大学文化科学系総合研究棟2階演習室(5)
題目:「近世後期幕府代官の金融機能について―近江国信楽代官を事例に―」(仮)

※現状では上記のとおり開催予定ですが,岡山県においても新型コロナウイルスの
 影響が懸念されておりますので,来場の際に公共交通機関をお使いになられる場
 合はくれぐれもご注意ください。
 また,体調のすぐれない方におかれましては参加を控えていただきますよう,
 何卒よろしくお願い申し上げます。

2019年11月例会報告

11月例会報告

 

1116日(土)、11月例会を行いました(参加者:8名)。小野功裕さんが「総力戦体制下の軍隊と地方行政―岡山県を事例に―」と題して報告をしてくださいました。

小野さんは軍隊と地域との関係や総力戦体制にかんする先行研究をふまえつつ、日中戦争時の岡山県を題材として、兵事行政における県と軍隊との関係やその変化について検討されました。

 報告では、村に残された行政文書を用いて、県単位での兵事行政の展開過程が追究され、徐々に軍隊が銃後社会と直接向き合うようになり、県と軍隊とが連携した体制が構築されていく様相が明らかにされました。

 討論では、兵事行政における体制の変化が地域や住民に与えた影響、軍部や中央省庁と県政との関係、制度の見取り図を示す必要性などが議論されるとともに、研究史上でもあまり類例のない重要な研究である点が指摘されました。

 報告していただいた小野さん、ありがとうございました。(東野)

  

次回以降の例会は下記の予定で行います。ふるってご参加ください。

 〇12月例会

 日時:12月21日(土) 13時開始 ※通常より30分早い開始となります。

 場所:岡山大学社会文化科学研究科総合研究棟2階演習室(5)

報告者:東野将伸さん

題目:「近世―近代移行期における豪農の広域金融 ―播磨国・備前国における動向を事例に―」

 

〇総会並びに忘年会

 12月例会終了後,引き続き同じ会場にて総会を行います。

〇忘年会

時間:1221() 18時開始

場所:鳥好野田屋町支店(岡山市北区野田屋町1-5-24

費用:4,000円(飲み放題)

参加ご希望の方は,お手数ですが1215()までに,下記の連絡先までご一報ください。

 

Kosuke.051.o.1011(あっと)gmail.com

 

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

岡山地方史研究会

小野 功裕

10月例会報告

1019()10月例会を行いました(参加者:12)。山田祐理子さんが「近世後期備中国における用水争論と地域秩序―都宇郡沢所用水組合を中心として―」と題して報告をしてくださいました。

山田さんは先行研究を踏まえ,近世の地域社会が領主支配との相互関係の中でどのように秩序を保っていたのかという点について,所領が錯綜する備中国都宇郡の沢所用水組合での用水争論を題材に検討されました。

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報告では,争論が様々な要因のために内済困難となってゆく過程を明らかにされました。その際,経済力を背景に地域社会に対する発言力を持つ大商人や大地主といった有力者が倉敷代官所と地域社会との間に在って,社会内部の利害調整を行うことで秩序を保っていたことを指摘されました。

 討論では,上記の有力者をどのように評価するかについて,組合とそれを形成する村との関係や領主権力の影響力といった点にも触れながら意見が交わされました。

報告していただいた山田さん,ありがとうございました。(小野)

 

 

次回以降の例会は下記の予定で行います。ふるってご参加ください。

 

〇11月例会

 日時:11月16日(土) 13時30分開始

 場所:岡山大学社会文化学研究科総合研究棟2階演習室(5)

 報告者:小野功裕

題目:「総力戦体制下の軍隊と地方行政 ―岡山県を事例に―」

 

〇12月例会

 日時:12月21日(土) 13時開始 ※通常より30分早い開始となります。

 場所:岡山大学社会文化科学研究科総合研究棟2階演習室(5)

報告者:東野将伸さん

題目:準備中

 

〇総会並びに忘年会

 12月例会終了後,同じ会場にて今年の総会を開催します。

総会終了後は場所を変えて忘年会を予定しています。詳細は後日に案内いたしますので,今しばらくお待ちください。

 

岡山地方史研究会

小野 功裕

10月例会のお知らせ

岡山地方史研究会の皆様

例会のご案内が遅くなってしまい,大変申し訳ありませんでした。
10月例会を次のとおり行いますので,ふるってご参会下さいますよう,よろしくお願い申し上げます。
9月につきましては,例会はお休みとなります。

〇10月例会
日時:10月19日(土) 13時30分開始
場所:岡山大学社会文化科学研究科総合研究棟2階演習室(5)
報告者:山田祐理子さん
題目:「近世後期備中国における用水争論と地域秩序 ー都宇郡沢所用水組合を中心としてー」

なお,11月と12月にも通常の例会を予定しております。
詳細は後日改めてご案内させていただきます。


岡山地方史研究会
小野 功裕

2019年6月例会報告

  今回の例会は、お二人の大学院生にそれぞれ卒業論文をまとめて発表していただきました。お二人とも、丹念に資料をあつめて分析されていると共に、研究対象の概要をしっかりとまとめられていたことが、印象に残りました。

 緊張しながらの発表だったと思いますが、意見交換の場は、建設的な話し合いができ、今後のお二人のご研究の進展が楽しみになりました。

 政次さん、吉藤さん、お疲れ様でした。また、大雨の中ご参会くださった皆さん、ありがとうございました。

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(1)幕末維新期岡山藩の農兵  政次加奈子さん

 幕末期の岡山藩において成立した農兵隊が、どのようにでき、どのように解体していったのかを明らかにしようとされました。農兵隊設置にあたり中心的な役割を果たした森下立太郎が、藩兵だけでは藩領を守ることができないと強く考えていたことや、当初は藩領守備を目的としていたのが、次第に長州や東北への出兵を求められていく様子などを紹介されました。

 参加者からは、幕末維新期の動乱を考えていく一つの鍵として、農兵隊が興味深い存在であることなどのコメントがありました。ただ、他藩との比較の必要性や、近代軍隊への連続性・非連続性の検討などが必要ではないかという指摘がありました。

○中世出雲国における禅宗寺院の広まりと戦国大名尼子氏家臣団との関係 吉藤妃花梨さん

 戦国大名尼子氏が、出雲国においてどのように禅宗寺院と関係を有していたのかについて、『雲陽誌』「出雲諸事雑記」などの近世地誌を用いて分析されていました。その結果、尼子氏やその国衆らはある一定の系統の寺院が領域に展開している可能性を明らかにしていました。

 参加者からは、山名氏ゆかりの寺院が尼子氏に切り替わっていたことを指摘したことの重要性や、三沢氏から始まった出雲国への禅宗の展開が、一部の国衆のところでは展開されていなかった実態が分かったことが興味深いなどのコメントがありました。一方、近世地誌による戦国社会の復元をするならば、寺院関連の一次史料の分析が不可欠であることや、禅宗僧侶の戦国社会での役割が政治や外交に 携わっていたことがあることなどの指摘がありました。

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  (文責:内池英樹)

 次回の例会は、7月20日(土)13:30から行います。当初、皆さんにご連絡した時には14時開始としておりましたが、開始時間が変更となっております。ご了承ください。

 

○7月例会

テーマ:大門正克ほか編『「生存」の歴史と復興の現在』(大月書店,2019年2月)の合評会

 日時:7月20日(土) 13時30分 開始

           16時30分頃終了予定

 場所:岡山大学社会文化科学研究科総合研究棟2階演習室(5)

 報告者:山下 洋さん

 コメント:沢山美果子さん

※例会終了後には懇親会も予定されています。懇親会へ参加されたい方は、7月14日(日)までに、下記の小野の連絡先までご連絡ください。なお、翌日以降の参加希望には対応できませんので、ご了承下さい。

 kosuke.051.o.1011(あっと)gmail.com

 (メール送信の際には、(あっと)を@に変更してください。)

 

 

近世史サマーセミナー(第58回)の御案内

岡山地方史研究会の皆様

今年度の近世史サマーセミナーのご案内をさせて頂きます。
近世史サマーセミナーは、今年で第58回を迎える催しで、全国から大学院生や大学教員、文化財関係者などが集まり、
日本近世史研究や歴史資料をめぐる活動について議論や情報交換を行っています。
今年は岡山県倉敷市を会場として開催することとなりましたので、岡山のみなさまにも詳細をお知らせさせていただきます。
ご関心のある方は、お問合せやご参加を検討いただけますと幸いです。

第58回近世史サマーセミナーのご案内
日時 2019年7月13日(土)14日(日)15日(月・祝)
会場 国民宿舎良寛荘(岡山県倉敷市)
*アクセス https://www.ryokanso.jp/access.html

日程 第1日(7月13日)全体会1、分科会
   第2日(7月14日)全体会2、レクリエーション
   第3日(7月15日)巡見(倉敷美観地区周辺)

全体会

全体会1「幕末維新期における改革と人々の経験ー変革の時代をどう生きるか? ー」
山本太郎「幕府代官陣屋元村倉敷・大原壮平の幕末維新」
塩原佳典「維新期藩校改革の再検討ー信濃国高島藩の皇学所をめぐる教化の諸相ー」
湯川文彦「中央・地方からみた幕末維新の経験」

全体会2「中国地方における災害と資料保全活動ー「平成30年7月豪雨」から考える ー」
山下香織「平成30年7月豪雨における岡山県内の対応」
西向宏介「「平成30年7月豪雨」被災文書の保全活動」
※いずれも仮題。報告順は変わることがあります。

分科会

伊故海貴則(立命館大学)/ 黒滝香奈(一橋大学)
越坂裕太(九州大学) / 小林優里(東京大学)
鈴木乙都(愛知学院大学)/ ルーベックイアン栄(京都府立大学)

費用 全日参加で30,000円程度(予定)
定員 70名(申込み先着順)
申込  氏名、性別、郵便番号・住所、電話番号、メールアドレスを明記の上、
6月23日(日)正午までにパソコンメールにて下記までお申し込みください。

参加申込者には、後日、分科会要旨などを含めた詳細な申込要項を送付いたします。

申込先 第五八回近世史サマーセミナー実行委員会
58samasemi.kinsei@gmail.com

連絡先 ご不明な点などがございましたら、前記アドレスまでお問い合わせください。

岡山地方史研究会
小野 功裕

2019年3月例会報告

316()3月例会を行いました(参加者:10)。山本隆一朗さんが「豪圓の寺院再興と近世伯耆大山寺の成立」と題して報告をしてくださいました。

 山本さんは伯耆国大山寺や備前国金山寺等を中興した人物として知られる豪圓の寺院再興活動を大名権力との関わりの中で分析されました。山本さんは,史料から豪圓が諸大名と深い関係を持ちその領地支配にも関与するようになり,それが寺院の再興につながったのではないかと述べられました。

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 討論では,豪圓の出自はどのようであったのか,豪圓は大名にとっていかなる存在であったのか,関ヶ原合戦後における在地寺院と他国から移ってきた大名との関係における豪圓の位置付け,等について意見が交わされました。

 報告していただいた山本さん,ありがとうございました。(小野)

 

次回の例会は下記の日程で行います。ふるってご参加ください。

〇4月例会

 日時:4月13日(土) 13時30分開始

 場所:岡山大学総合研究棟2階演習室(5)

 報告者:辰田芳雄さん

題目:「新翻刻文書に見える賀茂別雷神社領備前国竹原荘の守護請―洞松院尼・赤松義村・浦上村宗・宇喜多久家―」

また,現在使用しているホームページが3月末をもって閉鎖となるため,新ホームページへの移行に向けて準備しています。4月以降もこの案内板は引き続き機能しておりますので,例会等の情報はこちらからご確認ください。

 

岡山地方史研究会の案内板アドレス

http://hide-u.cocolog-nifty.com/okayamachiho/

2019年2月例会報告

223()2月例会を行いました(参加者:9)森元純一さん「大國家文書から発見された頼山陽書状」と,首藤ゆきえさん「~史料紹介~ 旗本小堀家一族から村庄屋へ宛てた書状」の二本の報告が行われました。

森元さんは,備前国和気郡にあった大國家が所蔵する屏風に貼られていた頼山陽の書状2点を紹介されました。報告では書状の年代比定を行うと共に,書状が大國家に伝来した理由を考察されました。

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首藤さんは,17世紀初頭に備中国奉行をつとめた小堀家の分家で同国内に領地を有した旗本としての小堀家が,領内の庄屋へ宛てたいずれも元和期と考えられる書状4点を紹介されました。報告では,支配をめぐる領主の本家と分家の関係を中心に検討を加えられました。

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討論では,森元さんの報告に対して,書状から読み解れる当時の頼山陽のような人々の交流活動に関して,近世における文化人とはどのような人々を指すのかという点について,意見が交わされました。首藤さんの報告については,書状から読み取れる当時の支配の在り方をめぐって領主権力と領民との関係はどのようであったのか,といった議論が行われました。

報告していただいた森元さん,首藤さん,ありがとうございました。(小野)

 

 

次回の例会は下記の日程で行います。ふるってご参加ください。

 

3月例会

 日時:316() 1330分開始

 場所:岡山大学総合研究棟2階演習室(5)

 報告者:山本隆一朗さん

題目:「豪圓の寺院再興と近世伯耆大山寺の成立」

2019年1月例会報告

 29()2月例会を行いました(参加者:13)内池昭子さん「片岡高立宛柚木玉邨書簡を読む―交友関係を中心に―」と,倉地克直さん「池田綱政の「心覚ノ書」―万治2年二度目の帰国中の綱政―」の二本の報告が行われました。

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内池さんは,明治~昭和期に画家・書家として生きた柚木玉邨から,同じく文化人であった片岡高立に宛てられた書簡を元に,岡山県地域における文化人の活動の一端を明らかにされました。

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倉地さんは,『岡山地方史研究144』に掲載の「池田綱政の初入国と光政」の続きとして,池田綱政が2度目の入国時に藩政上の出来事を記した文書を紹介されました。

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討論では,内池さんの報告に対して,文化人同士の交流の様相や,報告の中で事例として示された先人の顕彰を目的とする建碑運動について意見が出されました。倉地さんの報告については,文書から読み取れる綱政の個性や従来の綱政像との関係について,意見が交わされました。

報告していただいた内池さん,倉地さん,ありがとうございました。(小野)

 

 

次回以降の例会は下記の日程で行います。ふるってご参加ください。

 

2月例会

 日時:223() 1330分開始

 場所:岡山大学総合研究棟2階演習室(5)

 報告者・題目

首藤ゆきえさん「~史料紹介~ 旗本小堀家一族から庄屋へあてた書状」

森元純一さん「大國家から見つかった頼山陽の書状」

 

3月例会

 日時:316() 1330分開始

 場所:岡山大学総合研究棟2階演習室(5)

 報告者:山本隆一朗さん

題目:「豪圓の寺院再興と近世伯耆大山寺の成立」

12月例会の報告

128()12月例会を行いました(参加者:15)上村和史さん「西日本豪雨被災資料の救出と保全―岡山史料ネットの取り組み―」と,山下香織さん「平成30年7月豪雨災害における岡山県立記録資料館の取り組み」の二本の報告が行われました。

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 今年7月の豪雨災害により被災した歴史資料のレスキューに関して,行政や民間それぞれの立場から行われた活動の具体的内容をお話していただきました。

 どちらの報告とも後日,文章化予定ということですので詳細はそちらをご覧ください。

報告していただいた上村さん,山下さん,ありがとうございました。(小野)

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また,当日は2018年度の総会を行いました。2019年度は以下の体制となります。

会長  定兼

編集局 (局長)倉地
克直 (局員)沢山 美果子 
内池 英樹  東野
将伸

事務局 (局長)村上 岳  (局員)久野 洋 
上村 和史  小野
功裕

会計監査 金谷 芳寛

 

次回,年明け以降の例会は下記の日程で行います。来年もふるってご参加ください。詳細につきましては,後日改めてご案内いたします。

 

1月例会 ※開催は2月ですが,1月例会として行います。

 日時:29() 13:30開始   

 場所:岡山大学総合研究棟2階演習室(5)

 報告者:内池昭子さん,倉地克直さん

 

2月例会

 日時:223() 13:30開始

 場所:岡山大学総合研究棟2階演習室(5)

 報告者:首藤ゆきえさん,森元純一さん

 

3月例会

 日時:316() 13:30開始

 場所:岡山大学総合研究棟2階演習室(5)

 報告者:山本隆一朗さん

題目:「豪圓の寺院再興と近世伯耆大山寺の成立」


来年もどうぞよろしくお願いします。

良いお年をお迎え下さい。