お知らせ

4月例会について

4月18日(土)13時半から、岡山県立博物館講堂にて、同館学芸員の佐藤寛介さんに報告をしてもらいました。タイトルは、「重要文化財 色々威甲冑の新発見と地域史研究」でした(参加者:9名)。

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重要文化財に指定されている色々威甲冑(瀬戸内市 豊原北島神社蔵)の修復にあたり、兜や甲冑に関する詳細な調査を行った結果報告や、豊原北島神社に関連する由来等の文献資料を分析することを通して、地域史にどのように位置づけていけるのかについて話をしてもらいました。

参加者からは、文化財が歴史資料としての位置づけができることや、甲冑の製作地と考えられる大和と当時の邑久郡がどのようなつながりがあったのかなど、文献だけでは明らかにできないことをさぐること等について感想や意見が寄せられました。
佐藤さん、興味深い報告をありがとうございました。
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今回の報告は、昨年度末に刊行された『研究報告』第35号に掲載されているので、そちらもご覧ください。
また、色々威甲冑は、4月22日~5月31日まで岡山県立博物館で展示をしますので、お楽しみに。

5月例会は、5月23日 (土) 13:30から、岡山大学総合研究棟2階 演習室(5)で行います。
報告者は、斎藤夏来さん(岡山大学教育学部)、谷鋪昌吾さん(岡山県職員)で、「栄西認識の変遷と「純粋禅」再考 」です。ご参加、お待ちしています。

2015年3月例会報告

本日、3月例会を行いました。参加者は、10名でした。

報告は、小野博さんで、地域の観光や学習を歴史的観念から盛り上げる提案として、歴史地図をデジタル化したものの利活用の実態や、デジタル画像の商品化などでした。
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写真のように、各地にある文化財を高精細なデジタル画像として撮影し、その画像にGPSデータをつけたり、webへのリンクを設定するなどの方法で、より便利に活用できるような工夫の事例を紹介してもらいました。




参加者からは、地域興しの具体的なイメージや費用のこと、歴史的な取り組みへのさらなる利活用の有効性について話が出ました。
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忙しい中、事例紹介をしてくれた小野さん、ありがとうございました。

次回は、418日(土)13時半から、佐藤寛介さんが「重要文化財 色々威甲冑の新発見と地域史研究」と題して、色々威甲冑の文化財としての評価とあわせて、伝来に関する資料について再検討した結果明らかになったことについて報告してくれます。

場所は、岡山県立博物館講堂です。当日は、1320分までに県立博物館1階エントランスにお越しください。入館の必要はありません。ただし、自家用車で来られる方は別途駐車場代が必要になります。

2月例会について

2月21日午後に、2月例会を行いました。13名が参加してくださいました。

報告者 武冨真人さん(岡山大学大学院)による、「毛利家における毛利隆元の役割」と題したものでした。
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萩藩閥閲録に収録されている文書を中心に、毛利元就と隆元の関係を分析し、隆元の当主としての自立性を明らかにしようとしたものでした。知行宛行状や国人領主とのやりとりなどを分析した興味深い報告となりました。

参加者からは、武冨さんが「権限」としたものが、具体的にどのように設定しているのか、隆元の自立性を明らかにするためにも、知行宛行状等の時間的・空間的な分析が有効ではないか等の意見や感想が寄せられました。

これまでの分析を、さらに深化してしていきたいという抱負も述べられる、前向きな会となりました。
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仕事をしながら、地道な研究をまとめてくださった武冨さん、ありがとうございました。

3月以降の例会は、下記のとおりです。ふるってご参加ください。

○3月例会

日時:3月14日(土)13:30~

場所:岡山大学総合研究棟二階 演習室5

報告者:小野博さん((株)コンテンツ)
内容:地域の観光や学習を歴史的観念から盛り上げる提案 ①歴史地図を使用して  ②丹後ちりめんと漫画

○4~6月例会

現在調整中です。決まりましたらご案内いたします。

○7月例会

日時:7月4日(土)13時~

場所:岡山市内会場(現在調整中)

内容:「書物・出版と社会変容」研究会との合同例会
   
詳細については、後日お知らせします。

2015年1月例会

岡山地方史研究 1月例会参加記

先日、1月例会が岡山県立博物館において行われました。当日参加してくださった、森脇崇文さんが参加記を書いてくださいました。 ありがとうございました。写真は、今回は撮るのを忘れていました。すみません。

今年度最初の例会は、岡山県立博物館学芸課の内池英樹氏より、同館で開催中の企画展「戦国大名 宇喜多氏と長宗我部氏」についての解説と見学会がおこなわれた。

本展覧会の目玉と言える資料は、やはり昨年に情報が公開され大きな反響を呼んだ、林原美術館所蔵の石谷家文書だろう。今回の報告でも、同文書についての内容が大きな比重を占めていた。

私が特に興味をひかれたのはパネル展示されている天正6年11月24日付の谷忠澄・中島重房書状である。長宗我部氏の重臣両名が記したこの書状では、信長政権との交渉内容や今後の四国経略の展望などが詳細に述べられている。阿波三好氏が衰退し、長宗我部氏が覇権を握っていく端境期に当たるこの時期の四国情勢は、一次史料から論証できる部分が少なく、必然的に各事象や勢力図の評価には研究者の間で大きなズレが生じている。この書状は、そのズレを補正し、さらには毛利氏・織田氏といった外部勢力と四国とを繋ぎ合わせる重要なピースとなるものだろう。

この書状をはじめ石谷家文書の多くは、これまで二次史料などからおぼろげな輪郭のみが知られていた歴史事象に、確たる徴証を与えつつ他の歴史事象との関連を示唆する内容を含んでいる。「本能寺の変の真相」という報道に覆い隠されている面があるが、今後の戦国史研究におけるこの文書群の重要性はそれだけに留まるまい。今年前半に刊行される資料集が今から待ち遠しい。

石谷家文書以外にも、本展覧会では貴重な資料が多く展示されている。紙幅の都合から一点だけの紹介に絞るが、直家の弟である宇喜多忠家画像は同館所蔵ながらなかなか目にする機会がない貴重な資料である。報告者の内池氏が紹介したように、直家の弟である忠家は、兄の死去から甥の秀家が成長するまで、宇喜多氏を支える役割を担っていた。直家・秀家の陰に隠れることが多い忠家だが、その重要性をフォローし、展示の流れに位置づけようとする姿勢には感銘をおぼえた。

今回の例会では、報告を踏まえた上で資料を実見し、さらに質疑時間も設けられたことで、展覧会の資料はもちろんのこと、その趣旨に至るまで理解を深めることができた。こうした機会を調整していただいた報告者に謝意を表するとともに、今後もこうした「展示担当者をまじえた施設見学」という形式の例会が企画されることを期待したい。
(執筆:森脇崇文)

○2月例会
日時:2月21日(土)13:30~

場所:岡山大学総合研究棟二階 演習室5

報告者:武冨真人さん(岡山大学大学院)

内容:「毛利家における毛利隆元の役割」

○3月例会
日時:3月14日(土)13:30~

場所:岡山大学総合研究棟二階 演習室5

報告者:小野博さん((株)コンテンツ)
内容:地域の観光や学習を歴史的観念から盛り上げる提案
①歴史地図を使用して  ②丹後ちりめんと漫画

12月例会について

11月29日に、少し早かったのですが12月例会を行いました。
当日は、辰田芳雄さんが「勝仁親王主催文明17年9月9日着到和歌の研究」と題して、報告をしてくれました。せっかくの例会でしたが、参加者は4名という少し寂しいものでした。

辰田さんは、着到和歌(一人が上下の句をうたい、百日分すべて参加してつくられる)に載せられた歌を調べることによって、表題のものについては、親王や女性によって歌われたことが明記されており、どのような歌を歌っていたのかを明らかにしていきました。通常、女性たちは記名がないため、誰が詠んだのかわからないそうです。

文化の一端である和歌の世界かも知れませんが、丹念に調べていくことによって、文化から政治の動向を見ることができることを報告してくださいました。また、この分析の過程を高校での総合的な学習の時間で紹介し、「教師自身が調べて感動したことを生徒に伝えていくことの大切さ」があったということも教えてもらいました。

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参加者は少なかったのですが、それぞれの観点から辰田さんの報告をもとに話題が広まっていき、活発な話し合いを行うことができました。お忙しい中報告してくださった辰田さん、ありがとうございました。

今年はこれで例会は終了になります。
次回は、1月18日(日)13時半から、岡山県立博物館で開催予定の「戦国大名 宇喜多氏と長宗我部氏」の展示見学と、石谷家文書の紹介を行うことにいたします。詳細については、年明けに再度お知らせいたします。
なお、総会もその時に行いますので、ふるってご参加ください。

2014年10月例会報告

 10月18日に行われた10月例会では、大阪大学大学院文学研究科M2の蒲谷和敏さんが「第一次世界大戦期の社会変容と水道―兵庫県尼崎市の水道布設をてがかりに―」と題して、報告してくれました。

 本報告は、今年度提出する修士論文に向けての準備報告ともなりました。第一次世界大戦前後に急速な工業化を遂げた尼崎地域を対象に、上水道がどのように整備され、その際にどのような問題や矛盾が生じてきたのかに注目することで、「新興工業都市」の特徴を浮かび上がらせようとしたものでした。

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 質疑応答では、水道布設に関わる地域住民・行政・工場など諸主体の相互関係、内務省の水道政策の特徴、当該期の社会変容の内実、水道問題の固有性、尼崎の事例と先行研究との関連など、論点は多岐に亘りました。

 蒲谷さんからは、自身の問題関心や尼崎地域を取り上げる意義も含めた積極的な応答があり、参加者はやや少なめでしたが、議論は盛り上がりました。
修士論文提出後には、いずれ学術雑誌に発表されてくれるものと期待します。
蒲谷さん、どうもありがとうございました。
 

 今回は、久野洋さんが会の様子を紹介してくれました。ありがとうございました。

 次回例会は、11月29日を予定しています。詳細は、掲示板に出しますので、そちらをご確認ください。
 例会報告を希望される方は、ぜひご一報ください。お待ちしています。2

2014年9月例会報告

幕府領陣屋元村の掛屋と陣屋・地域社会と題して、備中国窪屋郡倉敷村を取り上げ報告してくださいました。

山本さんは、以前から倉敷村にあった代官陣屋を中心に研究をされており、2010年には清文堂から『近世幕府領支配と地域社会構造』を刊行されています。
今回は、代官陣屋の掛屋をしていた水沢家や大橋家のことを取り上げられていました。いずれも19世紀後半に活躍した豪商ですが、山本さんによると金融業を生業としていた大橋家は、そのノウハウを活かしていたのではないかと指摘されていました。また、公金の管理という役割は、大橋家自身の格式を上昇させていくことにも繋がっただろう等、興味深いお話を聞かせてくださいました。

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質疑応答では、掛屋の実態や活動内容、大橋家当主のパーソナリティ、倉敷村内部の重層構造等が話題となりました。

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次回は、下記の要領で行います。ふるってご参加ください。
日時:10月18日(土)13:30~
場所:岡山大学総合研究等2階演習室(5)
報告者:蒲谷和敏さん(大阪大学大学院博士前期課程2年)
題目:「第一次大戦期の社会変容と水道ー尼崎における水道布設を手がかりにー」

2014年7月例会

7月5日午後、岡山大学文学部で7月例会を行いました。今回は、スペシャル企画として、『歴史学研究』の特集「史料の力、歴史家を囲む磁場-史料読解の認識構造」の合評会を行いました。当日は、37人もの参加者が集まってくださいました。

企画者の久野さんは、地域の資料と真摯に向き合ってきた岡山地方史研究会であれば、歴史学研究会で取り上げたこの特集を皆で取り上げることで、「参加者一人ひとりが、過去と現在に対する問いを鍛えなおし、歴史的なものの見方を豊かにするきっかけにな」るのではないかと考えて立案してくれました。

また、わざわざ東京から、執筆者を含め10数名の方が参加してくださり、大変盛り上がった会になりました。評者となった、東野さん、松岡さん、大貫さん、沢山さん、ありがとうございました。また、参加してくださった皆さん、改めて御礼申し上げます。

最初に4人の評者からコメントをもらい、休憩をはさんだ後に、参加してくださった皆さんとこの特集を素材に、話し合いというか、意見の交換を行いました。

議論は多岐に亘りましたが、史料そのものをどのように読み込んでいくのか、その際、史料のバイアスをどのようにはいでいくのか。また、主体形成とは、いつまで続くのか。歴史資料Img_0222

をどのように提供していくのか。などなど。

執筆した方からは、歴史研究のパブリックな自分と、プライベートな自分とは不可分で、どこまで書くべきか悩んだことや、このような議論を行うことが、次のステップ(どのように主体として史料と向き合い、紹介していくか)につながっていく、等、文章には書かれていない苦労話も含めて貴重なお話を聞くことができました。

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今回の取り組みについては、近刊の『岡山地方史研究』において、紹介する予定ですので、お楽しみに。

例会後は、いつものように、岡山市内のお店で行った懇親会で盛り上がりました。

次回以降の例会は、報告者も含めて未定です。すでにご連絡をいただいている方が居られた場合は、申し訳ありませんが、内池まで再度ご一報いただきますようお願いします。

2013年6月例会報告

6月例会を、6月14日(土)13:30から開催しました。参加者は、13人でした。

今回は、現在、岡山県立博物館で行われている特別展「山田方谷」を、展覧会を企画した竹原伸之さんに、実際に展示品を目の前にしながら紹介していただきました。

同じ時間帯に展示解説をしていたため、どのような話し合いを行ったのかを詳しく聞けていませんが、山田方谷に関連する新出資料や、三島中洲や河井継之助ら門弟の資料など、多面的に山田方谷を見ることができたのではないかと思います。

いつもの例会とちがって、実際に資料を目の前にしていましたので、その場で適宜、質疑応答が行われ、参加してくださった方から積極的なお話が出たようです。
展覧会も6月29日(日)までとなっていますので、是非ごらんいただければと思います。

今回、久しぶりに岡山県立博物館を会場に行いましたが、今後も定期的に文化財と研究とをつなげるような例会を行えたらと思っています。

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次回は、7月5日(土)13時から、岡山大学文学部で例会を行います。詳細は掲示板に載せていますので、そちらをご確認ください。

懇親会については、事前に参加申し込みをしていただかないと、人数の関係で参加できないことがあります。スムーズな運営のために、ご協力のほど、よろしくお願いします。

『岡山地方史研究』132号の発刊について

『岡山地方史研究』132号が発刊されました。内容は、次の通りです。順次,会員の皆様には郵送されたのではないかと思いますが、購入を希望される方がおられましたら、内池までご連絡ください。

岡山地方史研究第132号 2014.5
論文 応仁・文明の乱後の荘園支配の様相-備中国新見荘を事例として-…渡邊太祐(1)
参加記
フォーラム・大規模自然災害に備える『災害に強い地域歴史文化をつくるために』に参加して…金谷芳寛(19)
参加記 就実大学吉備地方部下研究所二〇一三年度歴史シンポジウム
「古代地域史フェスタⅢ~歴史考古学の現在~」…加栗貴夫(22)
博物館・展示会めぐり 二〇一三年秋の特別展覧会を観覧して…辰田芳雄(28)
2013年度会系決算・監査報告…(32)
編集後記…(32)

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